必ず暗記すべき不動産鑑定評価基準 各論

各論の必ず暗記すべき不動産鑑定評価基準を選定しました。

各論の基準は、詳細な記載になってくるぶん書き方を間違えると論文構成がめちゃめちゃになってしまうことも多く、確実な暗記が必要です。

試験でないときは基準は暗唱できるのに、試験中は全く思い出せなくなったという方が実際には多いのではないでしょうか。どんな状況でも暗唱できるくらいでないと、本試験の論点整理時点頭でが真っ白になってしまい、まともな論点整理ができなくなってしまいます。私も1回目の論文試験では、なぜに思い出せないと苦しんだ記憶がいまだにあります。

ただ、一度覚えてしまえば、試験中もはっ!と思い出せる部分は多いです。とりあえず、あきらめずに暗記作業を進めましょう。

更地の鑑定評価

更地の鑑定評価額は、更地並びに配分法が適用できる場合における建物及びその敷地の取引事例に基づく比準価格並びに土地残余法による収益価格を関連づけて決定するものとする。再調達原価が把握できる場合には、積算価格をも関連づけて決定すべきである。

更地は、建物がなく、何かしらの権利もなく、最有効使用に基づく経済的利益を十分に享受することを期待できます。そのため更地の鑑定評価にあたっては、最有効使用を前提とした価格を求めることができることを、基準に合わせて記載していきます。

更地評価から開発法の流れ

当該更地の面積が近隣地域の標準的な土地の面積に比べて大きい場合等においては、さらに次に掲げる価格を比較考量して決定するものとする(この手法を開発法という。)
(1)一体利用をすることが合理的と認められるときは、価格時点において、当該更地に最有効使用の建物が建築されることを想定し、販売総額から通常の建物建築費相当額及び発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を控除して得た価格
(2)分割利用をすることが合理的と認められるときは、価格時点において、当該更地を区画割りして、標準的な宅地とすることを想定し、販売総額から通常の造成費相当額及び発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を控除して得た価格

建付地の鑑定評価方針

建付地の鑑定評価額は、更地の価格をもとに当該建付地の更地としての最有効使用との格差、更地化の難易の程度等敷地と建物等との関連性を考慮して求めた 価格を標準とし、配分法に基づく比準価格及び土地残余法による収益価格を比較考量して決定するものとする。ただし、建物及びその敷地としての価格(以下「複合不動産価格」という。)をもとに敷地に帰属する額を配分して求めた価格を標準として決定することもできる。

建付地がらみの問題が出題されたときは、建付地とは何であるか、建物等の用に供されている敷地で、建物等及びその敷地が同一の所有者に属している宅地であることを必ず記載します。

問題によっては、最有効使用の観点から建物取り壊しが妥当と判定される場合は、建付地の鑑定評価はできないということが結論になる場合もあるので、注意しておいてください。短答式試験でも出ますね。

底地の鑑定評価

借地権設定者に帰属する経済的利益とは、当該宅地の実際支払賃料から諸経費等を控除した部分の賃貸借等の期間に対応する経済的利益及びその期間の満了等によって復帰する経済的利益の現在価値をいう。
なお、将来において一時金の授受が見込まれる場合には、当該一時金の経済的利益も借地権設定者に帰属する経済的利益を構成する場合があることに留意すべきである。
底地の鑑定評価額は、実際支払賃料に基づく純収益等の現在価値の総和を求めることにより得た収益価格及び比準価格を関連づけて決定するものとする。

底地の定義、「底地とは、宅地について借地権の付着している場合における当該宅地の所有権をいう」もきちんと暗記しておきましょう。

自用の建物及びその敷地の鑑定評価

自用の建物及びその敷地の鑑定評価額は、積算価格、比準価格及び収益価格を関 連づけて決定するものとする。
なお、建物の用途を変更し、又は建物の構造等を改造して使用することが最有効使用と認められる場合における自用の建物及びその敷地の鑑定評価額は、用途変更等を行った後の経済価値の上昇の程度、必要とされる改造費等を考慮して決定するものとする。
また、建物を取り壊すことが最有効使用と認められる場合における自用の建物及 びその敷地の鑑定評価額は、建物の解体による発生材料の価格から取壊し、除去、運搬等に必要な経費を控除した額を、当該敷地の最有効使用に基づく価格に加減して決定するものとする

自用の建物及びその敷地の定義、「自用の建物及びその敷地とは、建物所有者とその敷地の所有者とが同一人であり、その所有者による使用収益を制約する権利の付着していない場合における当該建物及びその敷地をいう。」もきちんと暗記しておきましょう。

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