宅建士から不動産鑑定士へのステップアップ

宅建士からステップアップ

宅建士試験の合格者のうち、不動産業界あるいは金融機関にお勤めの方は資格を活かして、不動産取引のプロフェッショナルとして活躍できる場面は多いかと思います。逆に、一般企業で働いていて自己啓発で資格勉強をしていた方々や、学生で何となく資格勉強をして合格となった場合、宅建士を活かす場面は実はありません。

資格スクールでは、宅建士試験で学習する内容は社会生活で有用であるから云々といったフレーズがありますが、まず役立ちません。笑

宅建士の資格取得で最も役に立つことは、法律系資格の登竜門として、宅建士試験で学んだことを活かし、他の法律系資格へステップアップできることだと思います。

宅建士合格後は、そのまま不動産鑑定士の短答式試験に挑むのも、ステップアップの一案としておすすめです。

宅建士試験の知識が活かせる不動産鑑定士試験

同じ不動産資格ですので、宅建士試験の知識が活かせる範囲が多くあります。

不動産鑑定士試験は、最初に「短答式試験」といわれる択一形式の試験が行われ、短答式試験の合格者が「論文試験」に挑むかたちになります。

「短答式試験」では、宅建業法・不動産登記法・法令上の制限・税金の知識をダイレクトに活かすことができます。「論文式試験」では、民法・借地借家法・区分所有法の知識を活かすことができ、論文の内容に厚みを持たせることができます。

宅建士試験の知識をダイレクトにこれだけ活かせる資格試験は、鑑定士試験以外には他にありません。せっかくお金と時間をかけて得た宅建士試験の知識を、合格と同時に終わらせるのは、非常にもったいないです。

宅建士試験合格から短答式試験合格までの最短プラン

11月に宅建士試験を受験し、12月に無事合格となった場合、次の不動産鑑定試験(短答式試験)は翌年5月上旬となります。12月~4月のたった5か月しか勉強時間がないよと思われるかもしれませんが、短答式試験だけであれば、5か月あれば十分に合格できます。

しかも、不動産鑑定士試験は、一度短答式試験に合格すれば翌年・翌々年は短答式試験は合格扱いとなり、いきなり論文試験から挑戦することができます。

短答式試験の科目は「不動産に関する行政法規」「不動産の鑑定評価に関する理論」です。

「不動産に関する行政法規」の勉強法

「不動産に関する行政法規」は3月から本気でやれば間に合います。3月からTACの過去問を1回目に流し読みしてから、2回目と3回目は本気読みします。最初は解くという感覚ではなく、読むという感覚で進めます。

TACまたはLECの短答式直前答練を全て受ける必要はありませんが、3月中に1度は何かしらの短答式直前答練を受けて感覚をつかみます。「不動産の鑑定評価に関する理論」とのバランスがありますので、「不動産の鑑定評価に関する理論」を優先して余裕があったら、短答式直前答練の読込を続けます。最後は4月中旬の直前模試を受けて、何度も出ているところを中心とした復習リストを作成します。これで勝負はできるはずです。

「不動産の鑑定評価に関する理論」の勉強法

12月から2月までの3か月間は、「不動産の鑑定評価に関する理論」だけに集中します。こちらもTACの過去問を1回目に流し読みしてから、2回目と3回目は本気読みします。「不動産に関する行政法規」以上に、解くという感覚ではなく、読むという感覚で進めます。

同時にこのブログでまとめてある「必ず暗記すべき不動産鑑定評価基準」を10回くらい読み繰り返し、基準の半分くらい暗記を行います。どのみち論文試験では基準暗記の勝負になるので、暗記を進めれるところは進めちゃいます。

「不動産の鑑定評価に関する理論」については、TACまたはLECの短答式直前答練を可能なら全て受けてください。短期間勝負の方々は過去問ベースの独学状態となってますので、直前答練で理解が必要な個所を極力おさえます。過去問の読み進めと基準暗記を進めている状態なら、短答式講座の受講者よりも高点数を取れる可能性も十分にありますが、答練の解説を聞いて理解レベルを高めます。

あとは、「不動産に関する行政法規」と同様、最後は4月中旬の直前模試を受けて、何度も出ているところを中心とした復習リストを作成します。これで勝負はできるはずです。

ちなみに復習リストはノート作りは不要です。過去問や答練冊子に付箋、赤ペンを用いて、試験当日に直前見直しができる用意ができれば十分です。

宅建士からのステップアップの内容にしては、具体的に書いてしまいましたが、一案としては面白いかと思います。

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