会計方針
会計方針とは、損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書などの、財務諸表を作成するための基礎となる会計処理の原則、処理方法や表示方法のことをいう。
資本取引・損益取引区別の原則
「資本取引・損益取引区別の原則が」問われたら、最初に「資本取引」と「損益取引」が明瞭に区別することを述べるようにします。そもそも、「資本取引」と「損益取引」が区別されていなければ、企業がどれだけの利益を得たのかを正確に計算することができません。
続いて、資本取引と、損益取引の定義を述べます。
資本取引とは、株主などの出資者が提供した企業の元手である資本を増減させる取引のことをいいます。
損益取引とは、企業の儲けである利益を増減させる取引のことをいい、当期の収益・費用・期間外損益の発生により、資本の増額取引をいいます。
次に資本取引と損益取引の区別が求められている理由を述べます。
資本取引とも損益取引も、自己資本を変化させるという点では同じですが、現在の企業会計では、企業活動としての成果である期間損益を適正に計算することが求められています。
そのため、自己資本を増減させるもののうち、損益取引のみを対象として損益計算をすることが必要なため、損益計算の対象を明確にして、適正な期間損益を行わなければならいない旨を記載します。
「資本取引・損益取引区別の原則」が問われたときは、上記はマストですが、加えて資本剰余金と利益剰余金を混同しないと記載できれば、より点数が望めます。
資本剰余金とは、資本取引から生じた剰余金のことをいいます。出資金のうち、資本金に入れなかった部分を指します。例えば、株主が300万円を出資した場合、200万円を資本金にして、残り100万円を資本剰余金とすることがあります。
一方で、利益剰余金、損益取引から生じた剰余金をいいます。企業活動で得た利益のうち、分配せずに社内に留保した額になります。
資本剰余金と利益剰余金を混同すると、元手資金の発生源泉が分からなくなってしまい、企業の財政状態や経営成績を適正に表示できなくなってしまうことを記載します。
費用・収益の認識基準
会計には、費用・収益を認識するための概念として「現金主義・発生主義・実現主義」の3つの考え方があり、それぞれの考え方を正しく認識することが、会計業務を行ううえで必須となります。
そのため、費用・収益の認識基準が問われたら、現金主義・発生主義・実現主義の3つであることを確実に記載し、それぞれの考え方を述べていくようにします。
現金主義
現金主義とは、現金の収入および支出があった時点において、収益・費用を認識するという基準をいう。(現実に収入・支出があった時点を基準とする)
現金主義によると、計算が簡単で、損益の計上において主観的判断が介入する余地がないという長所がありますが、掛け取引のように、費用・収益の発生時点と現金の支出・収入時点のズレが生じてしまうという短所があります。
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