宅建の四肢択一では、制度名や数字が合っていても、文末の違いで正誤が分かれます。「できる」を義務として覚えたり、「推定」を反証できない扱いと読み違えたりしないことが大切です。ここでは、権利関係の演習で確認したい4つの例を整理します。
法令の基準日:2026年4月1日。2026年11月5日に内容を確認しました。2027年度試験の法改正対応を完了した記事ではありません。
1.「できる」は、必ず実施するという意味ではない
不動産登記法14条4項は、同条1項の地図が備え付けられるまでの間、登記所が代わりに地図に準ずる図面を備え付けることを認めています。選択肢では、対象が「地図」か「地図に準ずる図面」かに加え、文末が権限を示すのか、義務を示すのかまで確認しましょう。
「備え付けなければならない」と置き換えた記述は、同項の規定を正確に表していません。制度を知っているだけで即答せず、根拠条文の述語まで読みます。
2.「しなければならない」は、申請の義務と期限を確認する
不動産登記法57条では、建物が滅失した場合、原則として表題部所有者又は所有権の登記名義人が、滅失の日から1か月以内に滅失登記を申請する義務を負います。共用部分等については申請義務者の定めが異なるため、設問の建物の種類も確認します。
たとえば、自己名義の一戸建てを完全に取り壊した場面で、「土地を売る予定なので、売却まで申請を待ってよい」とはなりません。誰が・どの事実から・いつまでに・何をするのかを、ひとまとまりで整理してください。
3.「考慮できる」から、一律の減額率は導けない
民法722条2項は、不法行為の被害者に過失がある場合、裁判所がその過失を考慮して損害賠償額を定めることを認めています。被害者に過失があることと、加害者の責任が全部なくなることは同じではありません。
また、この規定から「必ず半額になる」という結論も出ません。演習では、被害者の過失の有無と、賠償額の判断を区別しましょう。選択肢に「必ず」「一律」「一切」があるときも、その言葉だけで誤りと決めず、条文と事実を照合します。
4.「推定する」と「みなす」を区別する
区分所有法9条は、建物の設置又は保存の瑕疵により他人に損害が生じた場合、その瑕疵の所在について共用部分にあるものと推定する規定です。反証によって覆り得る推定であり、反証を許さない確定的な扱いと混同しないようにしましょう。
この規定だけで、管理組合や個々の所有者の損害賠償責任がすべて確定するわけではありません。設問が「瑕疵の所在」を問うのか、「賠償責任の成立」を問うのかも読み分けます。
演習後は、誤った言葉を1つ特定する
- 正しいもの・誤っているものの、どちらを選ぶ問題か確認する。
- 各肢の主語、要件、期限、文末を区切って読む。
- 採点後は正答肢だけでなく、残り3肢のどこが違うかを確認する。
- 翌日は、間違えた肢を正しい表現に直して説明する。
「3番が正解」と覚えるより、「権限を義務に変えていた」「1か月の期限を消していた」と説明できる状態を目指しましょう。
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根拠を確認する
- 不動産登記法(e-Gov):14条4項、57条
- 民法(e-Gov):722条2項
- 建物の区分所有等に関する法律(e-Gov):9条

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